思い出すと未だに失笑する、ある老人と会話した話

くだらない思い出話なんですが、韓国のニュースを聞いたとき、たまに思い出す事がある。
2012年頃、仕事のためにタイ経由でミャンマーに行く飛行場と飛行機内での出来事。

ミャンマーに出発するタイの空港で搭乗時間になり、エコノミーの順番を待っている時、大きな壁面窓から優先搭乗の人が見えた。
いわゆる、妊婦の人、体の不自由な人が先に乗って順次ファーストクラスから搭乗するシステム。
その時、窓から見えたのはCAに手をつながれて階段を昇る男性の老人だった。

けっこうヨボヨボの足取りでCAが一歩一歩手を引く感じ・・・
(あんな高齢でも飛行機に乗ってミャンマー行かないといけないのか・・・大変だな)
なんてぼんやり思った。

で、自分も搭乗して、シートに座ったらさっきのおじいさんが俺の隣だった。
シートベルをしつつ待っていると、おじいさんがCAを呼んで毛布を掛けてもらい始めた。
でも、俺が通路側で、おじいさんが奥だったから手間取っている。
とっさに、毛布をかけるのを手伝ってあげて、飛行機が離陸し始めた。

飛行機が上昇して、シートベルトの着用ランプが消え、少ししたらおじいさんが日本語で話しかけてきた。
「日本人の方ですか?」

(え?)と思って「そうですよ」って返事したら「私は韓国人です」と言ってきた。
おじいさんは「私はいろいろな国に行くのですが、どこの国でも日本人の人は親切にしてくれます」としっかりした口調で話してくれた。
意外な話だったので「そうですか?」と返事しておいたらまた話し始めた。
「でも、日本という国は、私達にひどいことをした国です」って絡んできた・・・
(あちゃぁ~めんどくせぇなぁ)と思った。ミャンマーまでの2時間をこの韓国人と話さないといけないのか?って・・・

さらにおじいさんは「イラクでも○○(聞き取れなかった)でも日本の人はいろいろ親切にしてくれて嬉しかった」的な事を幾つか言うけど、次に付け加えて言うのが「日本の国は悪い」と・・・

(こりゃダメだ。会話にならない・・・)
あまり話を聞くと運気が下がりそうなので、会話を切り上げようと話の腰を折って英語でこんな意味のことを言っておいた。
「今の世代が死に絶えて、次の世代に替わるまで何も変わらないと思いますよ」って。
「古い人間はもうじき死にますから心配しなくて良いですよ」(ちょっと当てつけがましかった)
そう言ったら、察したのか話さなくなった。

その後は、機内サービス受けたり寝たりしていた。
ミャンマー到着まで会話は無かった。

イミグレーションを通過して、空港前でタクシーを待っていた時俺は衝撃的なシーンを見た。

機内で隣りに座っていた韓国人のおじいさんが大きな荷物を持ってスタスタ歩いている・・・
驚きとしたたかさに思わずにやけてしまった。
頭の中では(あのヨボヨボは演技だったんか~い!)とお笑いのツッコミ状態。
やっぱ、世界中で仕事するならあのくらいの演技力は必要なのかな?と感心した思い出話。